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会長会見・挨拶

大阪手形交換所・手形交換業務終了記念式典を開催(髙島会長挨拶)

大阪手形交換所・手形交換業務終了記念式典を開催

 大阪銀行協会が運営する「大阪手形交換所」は、1879 年 12 月にわが国で最初に設立された手形交換所であり、140 年以上に亘って手形交換業務を行ってきましたが、本年 11 月の電子交換所の業務開始に伴い、業務を終了することとなりました。当協会では、これを記念し、業務終了日となった 11 月 2 日(水)に当交換所内で式典を開催しました。
 式典では、200 名を超える多くの参加者のもと、髙島会長(三井住友銀行頭取)に続き、来賓の岩元近畿財務局長(代読者:近畿財務局・鈴木理財部長)、高口日本銀行理事大阪支店長から、それぞれご挨拶をいただきました。

(最後の手形交換業務の様子)
(記念式典の様子)






 なお、髙島会長の挨拶は、以下のとおりです。

(記念式典の様子)

 皆さま、おはようございます。
 只今、ご紹介頂きました、髙島でございます。
 ご案内のとおり、大阪手形交換所は、長年、地域経済を支える決済インフラとして重要な役割を果たしてまいりましたが、全国銀行協会の運営する電子交換所が 11 月 4 日に決済を開始することに伴い、本日、当交換所は業務を終了することとなりました。
 この場をお借りして、これまでの当交換所の歩みを簡単に振り返るとともに、長年に亘り交換所の運営にご協力を頂いた関係者の皆さまにお礼の言葉を申し上げたいと存じます。

 1879 年(明治 12 年)に東京より 8 年早く、当交換所の前身となる「大坂交換所」が我が国で初めての手形交換業務を開始しました。
 開設当時は東区大川町に位置し、現在の私ども三井住友銀行大阪本店の敷地内にございました。
 現在、弊行大阪本店の東玄関付近に「手形交換所発祥の地」と記した石碑がございます。本日の終了式典で大阪銀行協会の会長として挨拶させていただくことになったのも、何かしらのご縁を感じます。
 開設当初の加盟銀行は 16 行だけで、当協会の社員銀行のみに限られていましたが、その後、社員銀行以外の金融機関も参加可能となり、1989 年(平成元年)には加盟銀行数が 106 行に達しました。その後、合併等により、参加金融機関数は減少しましたが、それでも、直近では 63 行の加盟銀行の皆さんが、この場所に、毎営業日、ご参集してこられました。
 明治から始まり、大正、昭和、平成、令和の 5 つの時代を越えて、正に激動の中、様々な困難を乗り越え、人や組織は変わっても当交換所は一貫して、手形・小切手の円滑な流通と信用秩序の維持に努め、人知れず、地元経済の発展の一翼を担ってきた訳であります。
 これもひとえに、交換所の運営に多大なご協力をいただいた参加金融機関の皆様のおかげと、深く感謝しております。
 特に、令和に入ってからは新型コロナ感染症の影響を受けましたが、各種対策へのご理解・ご協力により、手形交換の安定的な運営を継続することができました。これまでのご協力に重ねて御礼申し上げます。

 明後日からは、電子交換所での決済が始まります。
 手形交換を含む各種決済インフラはわが国経済の持続的な成長を支える観点から技術の進歩やニーズの多様化など環境の変化に適切に対応し、より安全で効率的な仕組みに改善していくことが極めて重要であります。
 この点、電子交換所の設立により、金融機関は手形・小切手を搬送する必要がなくなり、業務効率化につながることに加え、災害等による影響を軽減することにもつながります。今後は、金融界として目指す 2026 年度までの決済手段の全面的な電子化に向けて、電子記録債権やインターネットバンキングの利用を推
進するなど、引き続き、皆様と連携して参りたいと思います。

 さて、本日の手形交換業務の終了に伴い、運営主体である大阪銀行協会も、ひと区切りを迎えることとなります。こちらの施設は売却し、当協会は移転いたします。
 私ども大阪銀行協会は手形交換を通じ、143 年に亘って、地元の経済活動をお支えしてきたという歴史の重みと矜持を持ち、引き続き、地域社会と銀行界の接点として、大阪・関西の活性化に微力を尽くして参る所存です。
 金融機関のみなさま、地元関係者のみなさま、当協会の活動に引き続きのご支援とご指導・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

大阪手形交換所のこれまでのあゆみについては、当協会HP掲載の「大阪手形交換所の歴史」をご覧ください。

以 上