大阪府内の資金需要動向と金融機関の貸出スタンス ―2025年2月アンケート調査結果―
【要旨】
- 大阪府内に営業拠点を有する金融機関では、企業の資金需要について、6割方の先が足許から先行きにかけて前年同期対比で「増加」または「幾分増加」との見方にあり、当面、府内企業の資金需要は増加基調を続けるものとみられる。
― 資金需要増加の要因として、「売上の増加」、「設備投資の増強」、「M&A・新規事業進出など事業規模拡大」を指摘する先が多く、企業
サイドでは業況改善のもとで前向きな投資が拡がっている状況が窺われる。 - 一方、個人や地公体の資金需要に関しては、大方の金融機関で、足許から先行きにかけて前年同期対比「同水準」との見方にある。
― ただし、足許、住宅ローンを中心に個人の資金ニーズが幾分高まっている可能性。 - このような需資動向のもとでの金融機関の貸出スタンスは、企業向けでは、足許、先行きとも多くの先が利鞘確保を重視すると回答しており、全体としては資金需要が増加基調を辿る中でも、貸出のボリューム拡大よりも採算性を重視する姿勢にある模様。
― 利鞘確保を重視する要因としては、「自行庫の収益増強を企図」や「経済環境の好転」が挙げられている。
― 他方で、足許に限ってみると、残高増強を重視すると回答している先が幾分増加。 - また、企業向け貸出での金利設定スタンスをみても、前年の同時期に比べ「引き上げ方向」と回答している先は、足許の8割強から先行き9割弱に一段と増加しており、今後、殆どの先で金利の引き上げを図っていく方針にある。
- この間、個人向けの貸出スタンスは、残高増強を重視する先と利鞘確保を重視する先が概ね同数となっており、対応が二分化。また、地公体向けは、大方の先が利鞘確保を重視するスタンスにある。
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